西行

心なき 身にもあはれは 知られけり しぎたつ沢の 秋の夕暮 願はくは 花のもとにて 春死なむ その如月の 望月のころ 津の国の なにはの春は 夢なれや 蘆の枯葉に 風わたるなり 山里は 秋のすゑにぞ 思ひしる 悲しかりけり 木がらしの風